交通信号設備工事
交通信号設備工事とは、交通信号機を設置する電気工事のことです。交通工学に関する知識、電気、通信、土木などの確かな技術が必要とされます。そのような高度な工事が可能であることを認定する交通信号工事士という資格もあります。
交通信号設備工事の工程
交通信号設備工事は警察による発注があってスタートします。その工程は以下の通りです。
信号機柱を建柱
コンクリート柱または各種鉄鋼柱による信号機柱を建柱します。
灯器取り付け
交通信号機の本体の部分を灯器といいます。大きく分けて車両用灯器と歩行者用灯器の2種類があります。それぞれ、アームと呼ばれる鉄管で信号機柱に設置されます。
制御器設置
交通信号機をコントロールする制御器を設置します。最近の制御器はパソコンと接続して制御の変更を行ったり、メンテナンスができるようになっているものも少なくありません。動作設定を行うまでが交通信号設備工事です。
車両用灯器の仕組み
交通信号設備工事の中でも多いのが車両用灯器の取り付けです。車両用灯器の仕組みについて詳しく見てみましょう。
フード
レンズ部分が汚れたり、日差しによって点滅が不明瞭になるのを防ぎます。
LEDユニット
最近の灯器はLEDが主流です。LEDユニットはLED素子を並べるための基盤部分で、日光が当たっても反射が起きにくいように表面が加工されています。
LED素子
LEDユニットにはLED素子、すなわちLED電球が並べられます。どの色を使用するかは規格で決められています。
サビ止め金具
各LEDユニットの下にはサビ止め金具が設置されています。ここを開けることでLEDユニットの交換ができるようになっています。
灯器固定金具
灯器をアームに設置する専用金具です。ここで灯器の角度を調節します。
交通信号工事士とは
交通信号工事士とは、交通信号設備に従事する人材の育成、専門能力の向上などを目的としている一般社団法人全国交通信号工事技術普及協会による認定資格です。
第2種交通信号工事士
交通信号施設や工事に関する基礎的な専門知識と技能があり、交通信号設備工事に従事できる技能があることを認定する資格です。受験資格は特にありません。
第1種交通信号工事士
交通信号施設工事に関わる豊富な実務経験があり、高度な専門知識を持って交通信号設備工事を指導する能力があることを認定する資格です。第2種交通信号工事士資格を取得して5年以上経過していることが受験資格になります。
交通信号工事士に求められる知識
交通信号工事士に求められる知識には次のようなものがあります。
・交通信号設備工事に必要な専門知識
・交通信号施設工事に関する設計、施工、機器、工事品質などに関する技術についての知識
・関係法令
・交通工学(交通信号制御技術)
・交通信号設備に関する知識
交通信号工事士に求められる技能
交通信号工事士に求められる技能は次の通りです。
・交通信号設備の設計に関する業務
・交通信号設備工事の電気工事に関する業務
・交通信号設備工事の通信工事に関する業務
・交通信号設備工事の土木工事に関する業務
・交通信号設備の製造に関する業務
・交通信号設備の材料に関する業務
・交通信号設備の保守に関する業務
・交通信号設備の安全管理に関する業務