ネオン設備工事
ネオン管などのガス放電管を使用して、様々な色の光を点灯させる装置をネオンサインといいます。主に看板や広告に使用されていますが、このネオンサイン設備を取り付ける工事のことをネオンサイン工事といいます。電気工事士法に基づいて施工され、特殊電気工事資格者などの資格が必要となります。
ネオン設備工事の工程
ネオン設備工事にはビルの屋上に大きなネオンサインを取り付けるものもあります。その場合には大がかりな鉄骨工事等も必要になります。しかし、今回は小規模店舗の軒先などに設置される、比較的小さなネオンサインの工程について解説します。
チャンネル文字とネオン管灯の取り付け
設計図に基づき、ネオン管灯とチャンネル文字を壁面に取り付けていきます。
1次側配線工事
分電盤からネオン変圧器までの配線を行います。
2次側配線工事
ネオン変圧器の高圧側からネオン管までの配線を行います。この時、完成後も点検などが容易に行えるように配慮しなければいけません。また、2次側配線は高い電圧がかかるので、周囲と一定距離を保つことが必要になります。配線が終わったら、ネオン変圧器を引出線が下向きになるように固定します。
ネオン設備工事に必要な資格
以上のようにネオン設備工事では、2次側配線工事という電気工事が中心となります。そのため、特殊電気工事資格者という専門的な資格が必要です。
特殊電気工事資格者とは
電気工事士の中でネオンサインの設置に関する5年以上の実務経験があり、経済産業大臣の定めるネオン工事資格者認定講習の過程を修了すると、特種電気工事資格者の資格を得ることができます。または、公益社団法人日本ネオンサイン協会による「ネオン工事実技者試験」に合格し「ネオン工事技術者証」の交付を受けた者、または同協会が実施しているネオン工事技術者試験の合格者も特殊電気工事資格者として認められます。
ネオン設備工事の注意点
ネオン設備工事では次のような注意が必要です。
ネオン管灯と回路
ネオン管灯は人が触れる恐れのないように設置します。強風等で脱落しないようにしっかりと固定しなくてはいけません。
ネオン変圧器
ネオン変圧器も人が触れる恐れのない場所に、強風等で脱落しないように強固に固定しますが、なおかつ保守点検しやすいようにしなければいけません。さらに、地上または屋上から1.8m以上離れて設置する必要があります。どうしても1.8m以下になってしまう時には、人が触れないように金網などで保護します。木造建築では漏電防止のための絶縁物も取り付けます。
点滅装置
保守点検が簡単で、なおかつ人が触れない場所に設置します。ネオン管灯などの低圧側に取り付けるようにしなければいけません。
避雷針
地上20mよりも高い場所に設置するネオン設備には避雷針が必要です。
配線
ネオン設備工事の配線は電気工作物に係る法令の規定によります。その他、複数のネオン変圧器がある場合には、2次側配線同士を接続しないなど、安全面に十分配慮するようにしなければいけません。